ちょろっと国語の話をしようかと思ったエンです。こんにちは。

 よくCMなどで「朝日新聞から、大学受験で出題された〜〜〜」とあります。そして天声人語などを読め、と学校の先生に言われた覚えのある生徒もいるようです。
 確かに、文字を読むことは大事ですし、新聞の一つも読めないと現代文の文章を読むのはかなり難しいです。

 高校受験や、一般常識と違って、"大学受験のセンター国語"は、入学した際に専門書を理解できるかどうかが、評論の出題レベルの基本となっています。
 だから、あえて日ごろ目にしない論理的で難しい言葉遣いの文章が選ばれます。

 さて、ここでタイトルのお話になるのですが、論理的は昔書いたのか、ちょっと忘れてしまったので、簡単に説明すると、
例:1+1=2である。ということは2=1+1ともいいかえれる。だから、2+2を1+1+1+1と言い換えることが可能である。

 みたいに、同じであるものを=で結び、自分の主張を相手に理解させる手段を論理といいます。
 ですから、数学の解答例はとても論理的であるといえます。また、論理的な文章は、人に解らせる為に書く文章ですから、専門的な言葉を使わなければ、非常に平易になります。

 そこで、新聞の1面のエッセイの欄の話になります。
私は朝日新聞の天声人語は嫌いですが、それでも認めているところはあります。何かといいますと、説得力です。
 文章は説得力(分りやすさ・伝わりやすさ)が、今は一番になっています。(昔は逆に難解な文章で読者を煙にまくことが素晴しいとされている風潮があった)
 特に朝日新聞の天声人語はここが非常に上手い。
 読売は、ちょっと古めかしく、毎日はたまに論理構造が破綻しているのを見かけます。産経は主張は解るのですが説得力が少々足りないイメージを私は感じます。(主張的に産経がしっくり来るのですが。また日によって論理力の質は変わります)

 朝日は手馴れています。確かに新聞なので、ところどころ難しめの言い回しですが、他の新聞と比べてもかなり平易だと思います。解り易いからこそ売り上げTOPなのでしょう。(書かれている内容の真偽はおいておいて)
 特に天声人語は、非常に論理的です。小論文の参考書のマニュアル通り書かれています。

 そうです、マニュアル通りに書かれているんです。
ちょっとこれを読んでいただけますか?
【天声人語風】 (朝日新聞風)

朝日新聞は小泉首相の改革は少しも進んでいないと主張している。しかしちょっと待って欲しい。小泉首相の改革は少しも進んでいないと主張するには早計に過ぎないか。

朝日新聞の真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。

例えば小泉首相からは自民党は大いに体制は変わったと主張するような声もある。

このような声に朝日新聞は謙虚に耳を傾けるべきではないか▲

思い出してほしい、過去にも何度も朝日新聞は小泉首相の叫びを無視している。

朝日新聞は小泉首相の自民党は大いに体制は変わったという主張を間違いであるかのような発言をして、市民団体などの批判を浴びた。

陳謝したものの「真意が伝わらなかった」と発言の撤回はしなかった。

確かに小泉首相にはマスメディアに嫌われているという問題もある。だが、心配のしすぎではないか▲

朝日新聞の主張は一見一理あるように聞こえる。

しかし、だからといって本当に朝日新聞は小泉首相の改革は少しも進んでいないと主張できるのであろうか?

それはいかがなものか。的はずれというほかない▲

事の本質はそうではではない。その前にすべきことがあるのではないか。

朝日新聞は、未来を担う一員として責任があることを忘れてはならない。

朝日新聞の主張には危険なにおいがする。各方面の声に耳を傾けてほしい。▲

朝日新聞に疑問を抱くのは私達だけだろうか。

小泉首相の改革は少しも進んでいないと主張したことに対しては小泉首相の反発が予想される。自民党は大いに体制は変わったという主張を支持する声も聞かれなくもない▲

朝日新聞もそれは望んでいないはず。しかし朝日新聞は現実から乖離しているである。

小泉首相の改革は少しも進んでいないと主張する事はあまりに乱暴だ。朝日新聞は再考すべきだろう。

繰り返すが朝日新聞は現実から乖離しているである▲

朝日新聞の小泉首相の改革は少しも進んでいないと主張したことは波紋を広げそうだ。今こそ冷静な議論が求められる。


 如何にも、天声人語っぽい文章で見かけるものではないでしょうか。(面白かったので主張を真逆にしてみましたが)
これ、http://taisa.tm.land.to/tensei.htmlで作らせてもらった文章なんです。なので所々おかしい点がありますね。
 同じ主張を使わず、主張とほぼ同じで違う言葉を使う方がいいのですが、マァソレはそれとして。
 非常に主張は解りやすかったと思います。
 ですが、現代文の問題文はここまで楽ではありません。レベル的に言うと、センター現代文の評論を中級(Lv3〜5)とするならば、天声人語は初級(Lv1〜2)の難易度です。
 そう、非常に解りやすく論理的であるということは、その分、平易で受験生の訓練にならないのです。

 ですので、天声人語を受験のために読むならば、評論で15/50以下の時に2,3回読んで筆者の主張と反論部分を押さえる練習さえすれば、後は用は有りません。(*受験生にとって、です)それよりも、問題集の問題を解く訓練をしたほうがはるかに時間の効率になるのではないでしょうか。

 小論文の力のつけ方においては、天声人語に見習うべき点がいくつかありますがマネのしすぎは良くありません。

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