射るor得る?

2005年9月27日
 言葉遣いで指摘されたことがあったので色々調べてみた。
「的を得る」
「的を射る」

 日常的に、的を得るという言葉遣いも、的を射るという使い方もあるようだ。(でも日常的には得ると発言している人が多い)

「正鵠(的の中心)を失う」という言葉があり、それの反意語として「正鵠を得る」という言葉があったのではないか、だから的を得るというのが正しいのではないか。という意見もある。(実際使っている文豪もいる)
 しかし、辞書の殆どには「的を射る」という表現はあっても、「的を得る」という表現はない。
 確かに、的は得るというよりは射ると言う表現の方が理には適っていると思う。
 が、しかし言葉とはそもそもが移ろい変化していくものである。
「貴様」がいい例だ。
貴は尊い人という意味合いがある。様というのも人名修飾で、遠い昔は貴様という言葉は貴殿や貴方などの相手に敬意を払う使い方だった。
 しかし、貴様といえば相手を侮辱する言葉になっている。

 元々日本語というものはあいまいである。あいまいがとても好きな俺としては、答えなどでなくてはいいじゃないか、と思っている。
 国語を教えてる身としては答えはキッチリ出なければいけないのは確かだが、それは受験問題から言える事だと思う。
 そもそも受験問題とは答えが想定されてから問題が作られるから正しいものがあるわけで、日常の言葉遣いに正しいも間違いもない。
 相手に伝わればそれが正解である。
 逆を言えば伝わらなければ間違いである。

 的を射るといわれても、的を得るといわれても意味が通れば正解である。

 えー、でも中学受験とかで、的を得るの下にラインが引っ張ってて直しなさいだったら、的を射ると書いてクダサイ。
 文法的な話するとそっちが正しいですからー。

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