国語力

2005年9月16日 エッセイ
 ども、今回はエッセイ形式で書こうかなと思いまして、ちょっと勉強っぽいタイトルをつけてみました。
 まぁ、私最近センター国語などを教えているわけですが、そもそも国語って何だというお話をしようかと思います。

 勉強の基礎というのは読み・書き・そろばんです。3大原則は高校だろうが大学だろうが変わりません。読む力、書く力、あと計算力ですね。
 で、国語はこのうちの読む力と書く力を合わせて評価します。センター試験では特に読む力を重点と置いてます。そもそも読む力というのは、ぶっちゃけると『本文に書いてあることが解るか?』という風に問われます。その力を国語で聞かれているんですね。
 この力は大人になっても、そして日常生活でも何にでも必要とされます。別に新聞や本の内容だけを理解する力じゃないですよ。
 この読む力には大雑把に言って二つあるので一つ目を説明しますと、例えば、会話をしますよね。人の話を聞いているときに、その人はどんな内容を喋っているのか、何を言いたかったのか、そういった事を理解する力が一つ目です。理解して要約する力です。
 話を聞いてくれて、すらっと言いたい事を読み取って会話を返してくれる人は、頭がいい人だと思いますよね? いわゆる国語の読む力の読解と要約が上手い人はこういった事がすらっとできます。

 読む力のもう一つは、文章などでは行間を読む、推測・類推する力です。例えば、暑い日に、汗だくのAさんがコンビニに入って何かを買って出てきました。袋は小さめです。
 といわれれば大体の人はピンと買ったものを予想できるのではないでしょうか。暑い日に汗だくだったので、ほしいものはジュースとか飲み物かアイスぐらいですよね。会話の途中で考えていることを先にポッと言ってくれたり、あえて話をぼかしても理解してくれるような人。いわゆる察しがいい人って居ますよね。行間を読む力や推測・類推が出来る人です。
 これら二つが、まず読む力。センター試験では、まぁこの二つさえキッチリできれば現代文では7割は確実じゃないかなと。詳しい方法は出口の実況中継などの参考書が詳しいです。

 次は書く力。ぶっちゃけて言うと「相手に言いたい事を伝える力」です。
 言うまでもないですが、評論とかを書いている人はプロで、「どうやれば相手に解ってもらえるだろうか」と努力しているわけです。そのようにしてくれてるなら案外理解できそうな気がしないでもないんですが、そう簡単に話が進まないんですね。まぁ、ここは後々詳しくということで今日は軽めに流します。
 
 書く力も大まかに別けて2つあります。
 その一つは、表現力。自分の言いたい事を表現する力ですね。これは日本語を正しくマスターさえしてれば、ある程度の方はできるはずです。
 句読点や読点が分らないといえども、日常会話では意味が通じますし、メール皆さん使ってますよね。メールで会話が成立さえしていれば、表現はある意味できているはずです。
 意味がわからないメールを打ってきたり、勘違いしやすいメールを送っちゃう人はここが欠けているわけです。だから表現力を身に付けるのは簡単そうに見えますが、簡単な事ほど奥が深いともいえます。実際、私が表現力に優れているかどうかといわれれば、それは皆さんに判断してもらうしかありませんが、優れてはないかと思いますw
 二つめの力として、説得力です。これが無ければ、文章(小論文)として成り立ちません。いまどきの新聞はちょっと説得力が無い記事が目立っちゃったりするのですが、それでも彼らはプロで説得力が十分ある記事を毎日書いてます。
 説得力がある文章とはどういう感じでしょうか。ちょっと二つの文章を比べてみましょう。

「O氏は、ホントもう最悪だよ。全然ダメ。人の悪口いってるだけで、自分から意見出さないし。昔、犯罪犯してたらしいじゃん? リーダーになってほしくないよねー」
 と
「O氏はリーダーになる資格が無い。なぜなら、公的な場で人を貶める発言しかせず、建設的な意見を上げることが出来ない。その上通産官僚時代に実家の家業の取締役をしていた。国家公務員法すら守れない男にリーダーを任せられない」

 どちらが説得力があるでしょうか。
 無論、後者ですね。説得力の有る無しは、色々なテクニックもあるのですが、簡単に言うと2つのポイントがあります。
 1、客観的に述べる(感情論で書かない)
 2、明確な事実を理由に挙げる(理由として上がっている事を詳しく書く)
 が出来ていればとても分りやすくなります。
 これは日常会話や、会議の時にも言えるのではないでしょうか。多分、無意識にこのような判断を下してらっしゃると思いますが、ちょっと意識して発言などするとスマートに見えます。

 これらをマスターしてしまえば、受験国語など簡単です。マスターするにはそれなりの努力は必要ですがw

 で、長々とお話してきましたが、何が言いたかったのかというと、最近の新聞の社説や、TVのニュースなどは感情論が多くなってきて困ります。
 それを参考に受験生が小論文を持ってきてくれるのですが、勢いがあれば良いと勘違いしている生徒をみるに忍びません・・・・・・。せめて、感情的にならず客観的に社説や報道番組を作ってもらいたいものです。無論、とても説得力のある社説や番組を作っているところも有るんですけどね。
 もう少し、国語力の有る記事や報道番組を作っていただきたいものです。

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