独りの凶行

2002年4月28日
 ども、喉がイガイガしてます。いやっふー今週は1日しか学校へ行ってないぜ、限りなく不安げなエンです。

 誰か助けて(人に頼るな)


 つかですね、すっげー短い報道なんすけど、かなり気になる記事がありました。


http://www.yomiuri.co.jp/05/20020426i213.htm

 ドイツの高校に、元生徒が銃を乱射しつつ試験会場に乱入。教師、生徒含め17人死亡。

 だそうです。
 
 
 取り敢えず、いろいろ言いたい事があります。
 
 日本でも頻繁とは言いませんが、似たような事件は起こってます。
 アメリカでもね。

 ドイツでも起こりましたか。
 
 別に、幻想を抱いていたわけじゃないですよ。
 
 ただね、俺はこの話聞いてすっごく悲しく、虚しくなったんですよ。

 舞台になった(中)高校は、進学校だったそうです。
 で、その日行われていた試験は大学へ行く為の卒業試験なんですよ。

 学生達はその日の為に勉強して、頑張って、自分の未来を掴む為に、試験を受けに来たんですよ。
 
 
 で、蓋を空けたら、成績不振の為退学を言い渡された元生徒に銃を乱射される。
 
 
 ナンすか? 彼ら悪いコトしたんですか?
 
 納得がいくとか、いかないとか、そう言う問題じゃないです。
 
 
 

 試験の時の緊張感って、まだ学生の身分の俺は馴染みがある感覚です。
 学生じゃないって人も少し思い出して見ませんか?


 開始のベルが鳴って、解答用紙をめくり問題用紙を広げる。

 周りから聞こえる、カリカリと言うシャーペンの音。

 ぱっと答えが思いつく問題。

 頭を抱えてしまうような、複雑な問題。

 昨日の夜勉強した時に見かけた、あの問題。解けそうなんだけど、やり方がはっきりとは思い出せない。頭を掻き毟ったり、シャーペンでトントンと自分の手を叩いたり、もしかしたら思い付くんじゃないかと思いながら消しゴムで今までの答えを消してみる。
 
 
 
 そんな時に、銃を持った男達が乱入。

 うむも言わず、試験監督を撃ち殺し、まだ状況を飲み込めていない生徒達に銃を向けて、発砲する。
 
 場は騒然となり、テストを放棄して逃げ回る生徒達。
 泣き声、叫び声、呻き声、犯人達の哄笑。
 
 不審に思って、人の流れを逆流して駆け付けた他の先生。

 勇気ある先生を見つけた犯人が彼を撃ち殺す。逃げ遅れた生徒達を甚振る様に犯人達は銃を乱射する。
 
 しかし、咄嗟の判断で生き延び、逃げ出した誰かは、慌てながらも警察に通報する。

 校舎から逃げ出した生徒達は、必死に犯人に見付からない場所へと走る。

 数十分もしない内に、警官達が学校に到着する。

 警官達は、逃げ出せた生徒達を保護し、怪我人を助け、必死の覚悟と装備で犯人を捕らえようと校舎の中へ向かう。

 警官達は犯人を追い詰めるように、校舎の中で攻防戦を始める。

 命辛々逃げ出した生徒達は、今だ聞こえる銃の音に怯えながら、事の成り行きを肩を寄せ合って見守る。

 そして、3時間にも及んだ事件は、犯人の自殺によって大方の解決がついたようだ。
 
 
 
 
 
 
 
 自殺? ナメてんじゃねぇよ!
 
 逃げてんじゃねぇよ!
 
 一番の逃げ道ばかり選びやがって!!
 
 
 成績不振で退学させられた。
  
 テメェの責任じゃねぇか。
 
 なに無関係の人間巻き込んで暴れてんだよ?
 
 逆恨みの積りなのか?

 自分の現状を他人の所為だと思って選んでこの事件を起こしたのか?
 
 
 舐めてんじゃねぇええええ!!!!!
 
 自分のケツぐらい自分で拭きやがれ!
 
 
 
 
 試験を受けていた生徒達はどうなるんだよ。
 
 殺された生徒達は将来、偉大な発見をする科学者になったかもしれない。
 
 もしかしたら、世界に名を馳せる小説家になったのかもしれない。
 
 芸術家、心理学者、世界に名を轟かせる大企業を起こす人物になりえたかもしれない。
 
 殺された先生は、生涯を通じて多くの優秀な生徒を育て上げれたのかもしれない。
 
 もしくは彼自身が、優秀な学者になりえたかもしれない。
 
 可能性は無限だった。
 
 少なくとも、歯を食いしばって頑張って、大学へ入る資格を得る為に試験を受けに来たんだ。彼ら達は。
 
 その人達の可能性を、奪い取る権利が何故貴様にある!?
 
 貴様みたいな“現実から逃げる事だけしか出来ない”奴が、殺された者達の何を理解している!?
 
 
 
 そして、その事を死ぬほど理解させる前に、勝手に死にやがった。
 
 待てよ、お前。
 
 何勝手に死んでやがんだ?
 
 責任とれよ。

 自分がした事の責任ぐらい自分で取れよ。
 
 少なくとも、その責任は勝手にお前が死んでとれるほどのもんじゃねぇよ。
 
 お前が奪った可能性は、殺された人達の可能性だけじゃねぇ。
 
 
 自分の親友を目の前で殺された生徒。
 
 全身に友人の血を浴びてしまった生徒。
 
 大好きだった先生が撃ち殺された瞬間を目の当たりにした生徒。

 PTSD(心的外傷後ストレス)を起こしてしまった生徒。
  
 この事件の所為で今後一切試験を受ける事が出来なくなったかもしれない。
 
 
 ほら、また一つ彼らの可能性が減った。
 
 お前は、この事を理解出来ていたのかよ?
 
 
 
 俺は、お前と会った事がない。犯人さんよ。
 
 そして、もう二度と会う事もない。
 
 俺の言葉がお前に届く事もない。

 だが、俺はお前が憎い。
 
 自分から逃げて、現実から逃げて、生きる事から逃げて、すべてから逃げた犯人が俺は憎い。
 
 事件を起こした事だけを責めているわけではない。
 
 自殺をした事だけを責めているわけじゃない。
 
 
 俺は、お前を産み出した環境が憎い。
 
 俺は、お前の凶行を止める事が出来る人間がいなかった事が憎い。
 
 
 そして、将来そんな事をしてしまう可能性を秘めている俺が、誰かが、とてつもなく憎い。
 
 
 
 
 すべてから逃げたいなら、逃げちまえ。
 
 だが、逃げる時は、人に迷惑をかけるな。親に迷惑をかけるな。社会に迷惑をかけるな。お前を知っている人達に迷惑をかけるな。
 
  
 自殺するくらいなら、事件を起こすくらいなら、“お前”を捨てろ。
 
 自我を保っている、“誇り”を捨てろ。
 
 
 それが最良の、“自殺”だ。
 
 
 
 
 
 
 すべてから逃げてんじゃねぇえ!
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 乱文失礼。

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